「重い物」と「軽い物」を同じ高さから同時に落とすと、どちらが速く落ちるでしょうか?
感覚的に、重い方が速く落ちると思うかもしれませんが、
実は重い物と軽い物は同時に床に落ちるのです。
「本当に??」
という疑問を解消すべく、
本当に「重い物」と「軽い物」が同時に落ちるのか実験してみます。
重いボールと軽いボールの落下実験
実験のやり方は非常に単純です。
重さの違う2種類のボールを用意し、
それぞれ落としてみて、地面に到達するまでの時間を計測します。
用意するもの
・2種類の重さの違うボール
・時間を測れるもの(スマホ、ストップウォッチなど)
![2種類の重さが違うボール](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_5004-edited.jpg)
今回は、軟式M号球とダイソーのおもちゃボールを用意しました。
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
できるだけ実験条件を揃えるために、
ボールのサイズは近い方が良いよ!
それぞれの重さを測ってみると、
M号球がおもちゃボールの6倍重いことがわかりました。
つまり、M号球が重いボール、おもちゃボールが軽いボールです。
M号球:135g →重いボール
おもちゃボール:22g →軽いボール
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
新品のM号球は138gだけど、使ったから軽くなったみたいだ
重いボールと軽いボールの落下時間を計測
高さ1.5mからそれぞれのボールを落下させます。
![そい嫁](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そい嫁AIアイコン.jpg)
近隣住民に迷惑が掛からないよう、
床にクッションを置かせました
メジャーで地面(クッション)から1.5m測り、印をつけておきます。
![1.5mの高さに印をつける](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_5017-edited.jpg)
これで準備完了。
ボールを落として、地面(クッション)に到達するまでの時間を計測します。
計測には、iPhoneのストップウォッチ機能を使っています。
![ボールを落とす様子](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_9905-edited.jpg)
![落下時間計測の様子](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_9907-edited.jpg)
それぞれのボールで10回ずつ計測します。
実験結果は2種類とも落下時間が同じ
![2種類のボールの落下速度 実験結果まとめ](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_5020-edited.jpg)
実験結果が出ました。
M号球もおもちゃボールも平均落下時間は0.55秒です。
この実験結果から、重い物と軽い物が同じ速度で落下することが確認できました。
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
実は理論値を計算すると、0.55秒になるよ!
![そい嫁](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そい嫁AIアイコン.jpg)
すごい!
実験大成功だね!!
重さに関わらず落下速度が同じ理由(感覚的)
![](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/bicycle-2540174_1280.jpg)
重さに関わらず落下速度が同じ理由について、まずは感覚的な話から始めましょう。
例えば自転車で斜面を下る場合、
体重が重い人の方が、最高速度が速そうです。
でも、勢いに乗るまでは少し時間が掛かりますね。
一方、体重が軽い人はすぐにスピードが出ますが、体重が重い人ほど最高速度が速くなりません。
自転車の例と同じように、
ボールを落下させる時は、力がちょうど相殺されて、
ボールが重くても軽くても同じ速度で落ちていくというイメージです。
![そい嫁](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そい嫁AIアイコン.jpg)
ほう。
何となくイメージが湧いてきたよ
重さに関わらず落下速度が同じ理由(理論的)
![](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/albert-einstein-219675_1280.jpg)
重さに関わらず落下速度が同じ理由を、理論的に式を用いて検討してみます。
そこで、質量mの球を自由落下させる状況を考えます。
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
空気抵抗は無視するよ!
高校物理の超基本式である、運動方程式 F=mαを使って、
落下するボールの加速度αを求めてみます。
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
力Fと加速度αはベクトルなので、向きがあるよ
![](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2024/01/運動方程式イラスト.001.jpeg)
ボールに下向きに働く力 F は mg なので、
運動方程式を立てると、 mα=mg
両辺を m で割って
加速度α=g
このように、加速度αを表す式に質量mは含まれません。
つまり、加速度αは質量に関係なく ”g(重力加速度)” となることが証明されました。
![そい嫁](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そい嫁AIアイコン.jpg)
だからボールの重さは落ちるスピードに関係ないんだね!
![そいや](https://soiya-rikei.com/wp-content/uploads/2023/11/そいやAIアイコン.jpg)
そういうこと!
もっと詳しく知りたい人は、
「物理のエッセンス」で超わかりやすく学べるよ!
コメント