夏といえば「花火」
カラフルな花火はまさに夏の風物詩ですね。
ところで、花火の原理を知っていますか?
花火は、炎色反応と呼ばれる化学の現象を使っています。
知らなくても花火は十分ステキなものですが、
知識を身につけて、いつもよりも楽しい夏を過ごしてみませんか?
カラフルな花火は炎色反応で出来ている
花火は炎色反応という化学の現象で出来ています。
では、炎色反応とは何でしょうか?
炎色反応とは、金属塩を炎の中で加熱した時に、特有の色を示すもの
炎色反応とは、金属塩を炎の中で加熱した時に、特有の色を示す反応のことです。
最初に、少しだけ難しい単語で説明してみます。
それぞれの金属原子は、熱エネルギーによって電子が励起状態になります。
そして、励起した電子が基底状態に戻る際に、エネルギーを放出するのですが、
このエネルギーが特有の色として観測できるというわけです。
難しくて分からないんだけど!!
OK。じゃあ人間に例えてイメージを掴んでみよう。
イメージを掴むため、人間に例えてみます。
サウナのような場所にいくと、暑くて長時間じっとしていられない、不安定な状態になりますね。
これが励起状態です。
暑さの限界がくると、みなさんサウナの外に出ていきます。
サウナの外は安定した状態で、これが基底状態です。
サウナから出ると、体から熱が放出されます。
これがエネルギーの放出です。
電子も同じようなことが起きます。
加熱されて不安定な励起状態にされると、いずれ基底状態という安定な状態に戻ります。
このときに、光エネルギーを放出するわけです。
これが炎色反応という現象のイメージです。
見える色は波長で決まる
それでは、特有の色とはどうやって決まるのでしょうか。
励起した電子が放出するエネルギーは次のような式で表されます。
ΔE=hν
ΔE:放出されるエネルギー(原子の種類で決まる)
h:プランク定数(定数)
ν:波長
ΔEは原子の種類によって決まります。
hは定数なので、変化しません。
つまり、金属原子の種類によって、ν(波長)が変化します。
人が見ることができる(可視光)の波長は380nm〜780nmです。
1nm(ナノメートル)= 1×10-9 m = 0.000000001m だよ!
波長によって目に見える色が決まります。
つまり、原子の種類によって、放出されるエネルギーの大きさが決まり、エネルギーの大きさで色(波長)が決まります。
色 | 紫 | 青 | 緑 | 黄 | 橙 | 赤 |
波長 | 380〜430nm | 430〜490nm | 490〜550nm | 550〜590nm | 590〜640nm | 640〜780nm |
赤の領域より波長が大きくなると、いわゆる赤外線などの領域となります。
一方、紫より波長が小さくなると、紫外線等の領域になります。
紫外線(UV)は日焼けの原因となるやつですね。
紫外線キライ!!!
語呂合わせで炎色反応を覚えよう
炎色反応の有名な覚え方です。
「リアカー 無き K村 動力 借りると するもくれない 馬力 で行こう」
「Li(赤) Na(黄) K(紫) Cu(青緑) Ca(橙) Sr(紅) Ba(黄緑)で行こう」
注意点としては、Cuの語呂が「動力」だと緑と思いがちですが、青緑となります。
ちなみに個人的には、Cu(青緑色)が1番きれいで好きです。
BBQで網を空焼きしたら、青緑色の炎色反応が見えてテンション上がりました。
炎色反応を知れば、花火がさらに楽しくなる
夏の風物詩で、みんな大好きな「花火」
花火は炎色反応で出来ています。
炎色反応を知れば、より楽しく花火を楽しむことができます。
ただし、みんなでワイワイしている時に、
「あ、この色は硫酸銅!」
などと発言すると引かれる可能性があるので、その点はご注意を。
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