「水と油が混ざり合わない」というのは有名な話ですね。
「しっくり調和しないこと」の比喩表現としても用いられるよ!
さて、そんな油にも多くの種類があります。
例えば、サラダ油、エゴマ油、なたね油、ココナッツオイルなど。
身体に良いので、アマニ油も常備してます!
水と油だけでなく、種類が異なれば油同士でも混ざり合わない現象が起きます。
そこで今回は、一般家庭で使用頻度が高いであろう、「ごま油」と「オリーブオイル」を使用し、
油同士なのに、混ざり合わないことを実験で検証してみます。
水、ごま油、オリーブオイルを分離する実験
実験で使うものを用意する
まずは実験で使うものを用意します。
水は水道水でもOKです。
容器は細い方が、使用する油が少なくて済むので、出来るだけ細いものがベターです。
① 容器に水を注ぐ
準備ができたら、まずは容器に水を注ぎます。
② 水の上にごま油を注ぐ
続いて、ごま油を注ぎます。
色の違いで見えやすいので、量を多くする必要はありません。
このように、くっきりと水とごま油の層が分かれています。
ここまでは見たことがある人も多いかな?
③ ごま油の上にオリーブオイルをそっと注ぐ
最後にオリーブオイルをそっと注ぎます。
油は箸に伝わせて、容器の壁に当てると上手く出来ます。
すると、このようにキレイに3層に分離することが確認できました。
上層が「オリーブオイル」
中層が「ごま油」
下層が「水」だよ!
すごい!
なぜキレイに層が分かれたのかな?
なぜ油と油で分離するのか?
なぜ油同士なのに、層が分かれて分離されたのでしょうか?
答えは「比重の差」にあります。
つまり比重とは、水を1としたときの物質の密度の比を表しています。
単位は無次元!
今回の実験で使用した、
ごま油やオリーブオイルはJAS規格によって、比重が決められています。
比重が小さいということは、軽いということなので、上に浮かんできます。
だから今回の実験では、
比重の小さい順に、オリーブオイル(上層)、ごま油(中層)、水(下層)となり分離した訳ですね。
ごま油とオリーブオイルは比重の差が小さいので、
混ざらないように、そっと入れるのがコツだよ!
ちなみに、振ると下写真のように油が混ざってしまい、実験は失敗してしまいます。
身近な現象で比重の差を感じる
身近な現象で、比重の差を感じられることが他にもあります。
①清涼飲料水を凍らせたとき
清涼飲料水(アクエリアスやポカリスウェット)を凍らせた時、初めの方に味が濃くなる現象は比重の差が関係しています。
夏場の部活を思い出すね〜
この現象では、比重の小さい水の部分が上層に移動し、糖分などの比重が大きい成分が容器の底の方に移動します。
これが比重の差で起きる現象だね
全体が凍った後、
糖分などを含んだ部分は、水よりも溶けやすい(水より低い温度で溶ける)ので、
最初は糖分の割合が多くなり、味が濃くなる訳です。
この溶けやすさは「凝固点降下」という現象が関係しています。
冬場の融雪剤でも同じ原理が使われているね!
↓【参考】凝固点降下についての実験はこちら↓
②黒潮(暖流)と親潮(寒流)は混ざらない
日本周辺には黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)という海流があり、それぞれは混ざり合いません。
親潮は北から流れてくる寒流。
一方、黒潮は南から流れてくる暖流です。
2つの海流がぶつかる潮目では、温度が高い黒潮(暖流)の方が比重が小さいので、上層へ。
温度が低い親潮(寒流)は比重が大きいので下層へと沈んでいきます。
したがって、混ざりにくいという現象が起きるのです。
比重の差は侮れないね。
他にも面白い現象が無いか、考えてみよう!
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